新美大使からのご挨拶

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 駐スロバキア大使の新美 潤(しんみ じゅん)です。2016年4月7日に着任しました。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 スロバキアは「古くて新しい国」です。人口約500万人のスロバキア人たちは長い歴史と伝統を持ち、首都ブラチスラバや地方の各都市には中世から残る風情ある建築と石畳の町々がそのまま残っています。九州程度の広さの国土の中で7つのユネスコ世界遺産に恵まれるなど、古き良き文化が今でも各地で息づいています。一方、「スロバキア」という国自身は(1993年)にチェコスロバキア国が二つに分かれて誕生した、欧州で最も新しい国の一つでもあります。

 スロバキアは、「自然に恵まれた、経済発展著しい国」でもあります。ドナウ川沿いの西部の平野部からはじまり、東部に向けては山脈が連なっています。春から秋にかけては森や山々で、散策やハイキング、トレッキングが盛んです。冬には欧州内のスキーリゾートとして山岳部に多くの観光客が訪れます。農業と牧畜が盛んな国で、地酒のワインと地ビールがおいしい国でもあります。他方、特に独立後は工業、特に自動車産業が盛んとなり、欧州では比較的安い賃金と良質な労働力も背景に、現在国民一人当たりの自動車生産数が世界一となるなど、EU各国の中でも高い経済成長率を誇っています。

 また、スロバキアの人々は自分たちの国を「小さな大国」とも言っています。欧州の真ん中に位置し、日本大使館が置かれている首都は隣国オーストリアの首都ウィーンから車でわずか1時間、チェコの首都プラハ、ハンガリーの首都ブダペストからもそれぞれ車で2-4時間という交通の要路に位置しています。このように至便で戦略的に要衝の地にある故に、スロバキアの土地は古代、中世の時代より近隣の大国や大勢力による侵略や占領の対象となってきました。しかし、独立後はEU、NATO、OECD等のメンバー国となり、特に中・東欧ではいち早く欧州通貨であるユーロを導入するなど、欧州、そして国際社会の中で小さいながらも重要な役割を果たすようになっています。ちなみに、このご挨拶を書いている2016年の後半は、スロバキアがEUの議長国を初めて務めることとなっています。

 

 このような魅力にあふれるスロバキアで、大使館がやるべき仕事は、経済、政治、広報・文化、領事などのあらゆる分野で二国間の関係を一層発展させるとともに、スロバキアに来られる、あるいはスロバキアに住んでおられる日本人の方々、そして日本の企業等の方々を保護し、支援していくことです。

 そんな中でも、私が大使として当面、特に重視して力をいれていきたいと思っていることは、次の二つです。

 

 第一は、日本とスロバキアの間の「人と人の繋がり」をあらゆる面で広げ、深化させていくことです。スロバキアの人々に日本の魅力や日本の姿を様々な角度から紹介するとともに、日本の方々にもスロバキアのことをさらに知っていただきたい。そのためにはあらゆる機会と手段を使って両国の人々の繋がりを様々な面で作り、そして結びつきを強化していくことが重要だと思います。

 

 第二は、両国間のビジネス面での関係を強化して交流を促進することです。スロバキアには約50社の日本の企業が進出していますが、例えば韓国等と比べても、スロバキアにおける日本のビジネスのプレゼンスはまだまだ小さい現状にあります。欧州の中央という地の利、EU域内にあり良質な労働力に恵まれユーロも導入しているという恵まれた投資環境等を考えれば、日本のビジネスがさらにスロバキアに進出していく潜在的ビジネスチャンスはまだまだ多いのではないかと思います。大使館としてもできる限りお手伝いをしていきたいと考えています。

 

 私が勤務している在スロバキア日本大使館は、首都ブラチスラバの旧市街の真ん中にある中央広場に面しており、石畳の広場とそれを囲む中世時代から残る石造りの風雅な建物が見渡せます。この旧市街は車の進入が原則禁止されて歩行者天国となっており、車の騒音も排気ガスもありません。広場を楽し気に散策したり屋外のカフェで気持ちよさそうにお茶を飲む観光客たちはまだ、ほとんどが欧州人です。こんな景色を時々眺めながら執務していると、自分が中世時代のヨーロッパにタイムスリップして、今ここにいるのではないのか、とふと錯覚してしまうことさえあります。

 私自身、この石畳の旧市街を時々歩いて回っています。皆さまと街角のどこかでお会いする機会もあるのではないかと思います。胸の日本とスロバキアの国旗をあしらったバッジをつけていますのでお気軽にお声かけください。

 

駐スロバキア大使 新美 潤(しんみ じゅん)