【大使活動報告】スペインのソフィア王妃音楽学校オーケストラのコンサート(2021年10月9日(土))

令和3年10月11日
   10月9日、スペイン大使からの御招待で、ブラチスラヴァのシンフォニー・ホールで行われたコンサートに出かけました。マドリッドにあるソフィア王妃音楽学校の創立30周年を記念して、そのオーケストラによる東欧各国ツアーがブラチスラヴァで開催されたものです。
 
   演目の一つはプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番でしたが、その難曲をみごとに演奏したのはドイツのアラベラ・シュタインバッハーさんでした。世界の名だたるオーケストラと共演経験を持つ方ですので、クラッシック・ファンの方は既にご存知だと思いますが、彼女のお母さまは日本人だそうで、レセプションでお会いした際に、流暢な日本語で話しかけられたのには大変驚きました。ブラチスラヴァのシンフォニー・ホールで、スペインのオーケストラを聞き、日本にもゆかりを持つシュタインバッハーさんの演奏に感動するという、とても稀有な経験をさせていただきました。さまざまなところで日本の才能が力を発揮しているのだとうれしく感じました。
 
   ブラチスラヴァではこの秋から、久しぶりにコンサート、オペラ、バレエなどのシーズンを迎えています。実は、スペイン大使館の御招待によるコンサートは、この秋2回目です。前回はスペインの若いピアニストのコンサートに御招待いただきました。今晩もそうでしたが、当地の各国大使夫妻の多くが会場を訪れ、才能あふれる若き音楽家たちの演奏に触れ、スペインの芸術・文化の懐の深さを理解するのです。これは素晴らしい文化外交だと思います。スペインだけではなく、他の欧州各国大使館からも、同様の御招待を受けることは多いです。
 
   コロナ感染もあり、現状では、日本から芸術家・芸術団体が欧州を訪問し、日本の文化を生で経験してもらうということはまだ困難な状況です。しかし、仮にそれが再開しても、日本大使館が当地有力者や各国大使夫妻などを多数御招待して、日本文化への理解を深めてもらうというかたちで外交を展開することは残念ながら困難だと言わざるをえません。そのための予算が措置されていないからです。
 
   国ごとに考え方に違いがあるのかもしれませんが、一度、スペイン大使はじめ欧州各国大使とも議論してみたいと思います。
 
アラベラ・シュタインバッハーさん
及びスペイン大使と
スロバキア・シンフォニー・ホールの内部