【大使活動報告】2021年7月15日 中川大使のブラチスラバ市大学図書館館長との面談及び「スロバキアの最も素晴らしい本2020」展のオープニングセレモニー出席
7月15日、ブラチスラバ市内にある大学図書館を訪問し、シルビア・スタッセロヴァー館長と面談いたしました。
英語では「ユニヴァーシティ・ライブラリー」と呼ばれるこの図書館は、特定の大学の図書館ということではなく、スロバキアを代表する総合図書館のような機能を持ちます。またスロバキアの最も重要な図書、文書類を保管する場所でもあるので、国立公文書館のような機能ももつ、非常に重要な施設です。この図書館が設置されている建造物が、かつてハンガリー王国の首都が今のブラチスラバに移転していた時期のハンガリー王国議会として使われていた建造物であることも、この図書館の重要性を示しています。ブラチスラバ旧市街に数ある旧貴族宮殿のなかでも最大級のものです。
かねてより、スタッセロヴァ―館長からは、過去に日本の文化無償資金協力で整備したマルチメディア学習室の設備の老朽化・陳腐化について話は聞いており、それへの対応も含めて、大使館と図書館の今後の協力の可能性等について協議しました。図書館側からは、サービス改善のための情報技術のサポートの分野での協力に関心が示されました。レボチャの盲人図書館の時にも書きましたが、文化外交のために役立つツールが本当に欲しいと思います。
同図書館が所蔵する写本や歴史的で希少な古書の文書庫を見学させてもらいましたが、ユネスコ遺産に登録されているものも含め、確かに大変なコレクションを所蔵しています。さらに、日本の歴史、人物や地理に関する歴史的文書等も特別に閲覧させていただきました。
図書館見学後、スタッセローヴァ館長とともに、文化省で執り行われた「スロバキアで最も素晴らしい本」大賞の授賞式に出席しました。ミラノヴァー文化大臣も出席する行事です。スロバキアでは20年前くらいから、印刷出版された本の中から装丁や内容のデザインを中心に「最も素晴らしい本」を国が表彰することをしています。何もかもがデジタルになる時代ですが、人類の英知は出版社という「目利き」のスクリーニングを経て紙媒体で出版された図書を通じて蓄積されてきたと言っても間違いはないと思います。この表彰制度は、そういう歴史的経緯に敬意を払い続けようとするスロバキアの考え方が反映されているように思いました。素晴らしいことだと思います。
授賞式の後、同図書館の展示ホールで開催されている展示会「スロバキアの最も素晴らしい本2020」のオープニングセレモニーにも参加しました。館長の突然の御指名により飛び入りで挨拶をさせて頂きました。印刷出版本を大事にするスロバキアの表彰制度の意義を高く評価する旨の祝意を述べました。
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