【大使活動報告】2021年6月21日 中川大使のパヴォル・ヨゼフ・シャファーリク大学とコシツェ盆栽センター訪問

令和3年6月21日

   6月21日、コシツェ市内にあるパヴォル・ヨゼフ・シャファーリク大学と同大学医学部を訪問しました。6月初めにもコシツェ県知事の御招待を受け、コシツェを訪問しましたが、今回はコシツェ周辺の日系企業などへの訪問を中心に21日から23日までの日程で再訪問したものです。
   大学訪問では、パヴォル・ソヴァーク学長及びシルヴィア・ルチンスカー国際関係・モビリティ担当副学長が、医学部からはモニカ・ハラーノヴァー奨学金・国際関係担当副学部長、ペテル・ヤルチュシュカ科学研究担当副学部長及びパヴォル・クリスチアン総合医学英語課程担当副学部長が出迎えて下さいました。面会には、最前線で活躍するスロバキア人感染症学者であり、スロバキア感染症学会会長、同大学の開発・欧州問題担当副学長そして政府のパンデミック委員会のメンバーでもあるパヴォル・ヤルチュシュカ博士も同席されました。
   今回の大学訪問は、現在14名の日本人医学部留学生が総合医学を英語課程で学習している同大学医学部について知るとともに、実際に日本人医学部留学生らと面会し、海外での日本人医学留学生の奮闘ぶりに接することが目的でした。コロナウイルス感染症によるオンライン授業のため、ほとんどの留学生は母国日本でオンライン学習をしており、今回の面会に同席できたのでは2名のみでしたが、海外で、母国語以外で専門分野の勉強することの大変さを共有しました。
   近年、スロバキアを含め、中東欧では日本人医学留学生数がかなり増加しています。学年進行にともない、今後も増加することが予測されます。日本サイドで海外での医学留学手続きをサービスする事業者が増えてきていることなど、さまざまな背景があるようですが、訪問したシャファーリク大学医学部でも、またブラチスラバのコメニウス大学医学部でも卒業することはかなりの難関です。
   その後、新設されたシュミレーター・ヴァーチャル医療センターを視察しました。同センターは、主に日本製の最先端技術を備えており、学生らは9月からの新年度から利用できるようになるそうです。
 
   続いて、コシツェ盆栽センターでユライ・サボ・スロバキア盆栽協会会長と面会し、スロバキア盆栽協会やコシツェの盆栽家らの活動及び本年9月にレボチャ市で開催される予定の全国盆栽展についても詳細に説明を受けました。
   サボ会長は、以前は家業を手伝う仕事をされていたようですが、ある日、インターネット検索で見つけた盆栽に一目惚れし、以来、盆栽の道を究めようと精進を続けられているそうです。日本の盆栽の巨匠に直接の指導を得たいというのがサボ会長の夢で、その巨匠の直弟子(外国人)がいるイタリアまで出向いて指導を受けたこともあるそうです。サボ会長が手入れをされている盆栽をいくつも拝見させていただきましたが、大変すばらしい盆栽ばかりでした。
   サボ会長の言葉一つ一つから盆栽に対する情熱が感じられました。日本から遠く離れたスロバキアで、盆栽という日本文化をここまで愛してくださり、自身が実践されているばかりか、その普及に人生をかけておられる方がいることに感激しました。9月のスロバキア全国盆栽展で再会することをお約束して帰路につきました。