【大使活動報告】2021年6月10日 中川大使のクライニアク労働・社会問題・家族大臣表敬訪問
令和3年6月10日
6月10日、クライニアク労働・社会問題・家族大臣を表敬訪問し、スロバキアの年金改革などについて意見交換をしました。
日本と同様にスロバキアでも少子高齢化が進んでおり、社会保障制度を支える側になる将来の労働力人口が減少することが見通されています。また将来の財政展望の改善のためにも、スロバキアでは年金制度改革が大きな課題となっています。
日本の公的年金制度では、5年に一度の年金財政再計算の仕組みが法定されています。日本政府は必ず5年に一度、最新の人口動態推計に基づいて、公的年金制度の長期的的な見通しを国民に説明する義務を負っています。また、年金財政の将来見通しに基づいて、5年に一度、必要な年金制度改革案を国民・国会に提案することとなっています。
一方、スロバキアの公的年金制度には、そのような定期的に年金財政をチェックし、必要な年金制度改革に取組むためのトリガー装置がビルトインされていません。したがって、年金財政の見通しがどのようになっているのか、将来自分が年金を受給するときにどれくらいの年金が受け取れるのか等の必要な情報がどれくらい国民に提供されいるのか、あるいは国民がアクセスできるようになっているのか、懸念されるところがあります。
公的年金制度は、どこの国でも国民の最大関心事項の一つです。年金財政に関する必要な情報が、透明性をもって、適切なタイミングで国民に提供されるような制度整備を行うことは、国民の支持を得ながら年金制度改革を進めるためには不可欠の要素ではないかと考えます。
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