【大使活動報告】2021年6月4日 中川大使のコシツェ訪問
6月4日、スロバキア赴任後初めてスロバキア東部のコシツェ県を訪問し、トゥルンカ・コシツェ県知事やポラチェック・コシツェ市長等と面談しました。昨年秋以来の当地でのコロナ感染第二波により本年5月までスロバキア国内での移動が禁止されていたものが解除され、ようやく実現したコシツェ訪問です。
コシツェ県知事からの招待を受けた今回の訪問は、まずポラチェック・コシツェ市長とともに、昨年日・スロバキア交流100周年を記念してコシツェ市内に植樹された桜の木に市長・副市長とともに水やりをする友好行事から始まり、その後、コシツェ市迎賓館において、市長との懇談を行いました。
ハンガリーとポーランドを繋ぐ重要な交易路にあったコシツェは、14世紀にはハンガリーのルイ・ザ・グレート王から欧州諸都市にさきがけて独立都市として認める紋章を授かるなど、当時は経済的に発展した都市でありました。しかし現在のスロバキア東部は、首都ブラチスラバなどのスロバキア西部と比較すると、所得水準、雇用などの点でハンディがあることは事実です。市長からは、スロバキア西部とは異なる独自の経済的・文化的発展を遂げた歴史を持つスロバキア東部が、現在はスロバキア内の東西の格差に悩んでいることなど、ブラチスラバ周辺にとどまっているのではわからないスロバキアの多様性について丁寧に説明してもらいました。
トゥルンカ知事からも同様の背景説明がありましたが、知事としては、(1)数あるユネスコ世界遺産遺跡など東スロバキアの観光資源を生かした日本人観光の促進、(2)既に複数の日系企業が製造業を含めて東スロバキアに拠点を置いてますが、さらなる日本企業の誘致などを通じて、今後さらにコシツェ県と日本の交流を強めていきたいとの考えを表明されました。知事室のアレンジで、コシツェ技術大学を見学しましたが、企業との共同研究施設なども充実しており、また日本の大学との連携経験もある研究室もあり、今後、コシツェ技術大学も絡める形で日本ビジネスの進出のポテンシャルはあるのでないかと感じました。
1993年の分離独立以降、スロバキアは自動車産業を中心として経済発展しましたが、近年はスロバキア労働市場規模の制約、賃金水準の上昇により、かつてのような発展モデルが通用しなくなっています。観光産業の強化や知的集約産業への転換といった課題はスロバキア政府も十分認識しているところですが、日本大使館としてもそのための協力に努めたいと思いました。
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