巡回展「現代・木彫・根付」開催のお知らせ

令和4年8月9日
netsuke
 当館は、8月17日~10月2日の期間、スロバキア国立博物館及び国際交流基金との共催で巡回展「現代・木彫・根付」をスロバキア国立博物館で開催します。
 
 根付とは、江戸時代(1603年~1968年)に制作された小さな細工物です。人々は印籠、煙草入れ、巾着などの提物を帯から紐で吊るして持ち歩きました。そして、紐の先端に取り付け、帯の下からくぐらせて帯の上部に固定させることにより、提物(さげもの)が落ちないようにする留め具としての機能をもたせたものが根付でした。当初は小さな瓢箪や象牙を輪切りにしたものなど、細工を施さない実用本位の素朴なものでしたが、次第に手の込んだ細密工芸品となり、様々な意匠を彫り込んだ美術的価値のある優れた根付が作られるようになりました。
明治時代(1868年~1911年)を迎えて文明開化の世が訪れると、次第に和服から洋服へと服装が変化し、根付も日本人の日常生活から次第に姿を消していきました。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、欧米では日本への関心が高まり、根付も美術品や工芸品として海外で評価され、多くの根付は海外に渡り、外国人によって収集されました。
 根付愛好家と彫刻家により根付の伝統は細々と保持され、1970年から20世紀にかけて、新しい現代的な感覚やアイディアからインスパイアされた「現代根付」というジャンルが生まれました。現代でも、彫刻家たちは技術を磨き続け新たな作品を生み出しています。今回の巡回展では、65点の根付を展示しています。
 
 また、展示会場では、様々なテーマのワークショップやプレゼンテーションを実施予定です。参加可能人数に限りがありますので、参加希望の方はスロバキア国立博物館宛てにメール(cmk@snm.sk)で参加希望の旨を事前にご連絡頂きますようお願いします。各サイド・イベントの詳細情報は、博物館及び当館のHPとSNSで順次公表予定です。
 
8月14日(日):組紐制作ワークショップ(25名まで)
8月21日(日):根付制作ワークショップ(25名まで)
8月28日(日):風鈴制作ワークショップ(20名まで)
9月  4日(日):生け花ワークショップ(10名まで)
9月17日(土):着付けプレゼンテーション(35名まで)
9月25日(日):和菓子プレゼンテーション(35名まで)
 
【展示会情報】
日時:2022年8月17日(水)~2022年10月2日(日)
開館時間:9時~17時(最終入場は16時30分)※月曜日は閉館
会場:スロバキア国立博物館(Vajanského nábrežie 2, Bratislava)※展示会場へは博物館建物の裏側から入れます。
共催:当館、国際交流基金、スロバキア国立博物館
入場料:巡回展及び関連サイド・イベントへの入場は無料。
博物館の他の展示エリアへの入場は有料(料金表:https://www.snm.sk/muzea-snm/prirodovedne-muzeum/prirodovedne-muzeum/navstivte/vstupne)。